ガンドッグ・リヴァイズド リプレイ 雪風水滸伝 覇道篇 (Role & Roll Books)

前回からの続き、伊達のイタチとの決着とレヴィアハーンとの勝負の二編。両編ともにプレイヤーの巧みなロールプレイが見事でした。キャラクターとしての会話もとても面白いのですが、読んでいて更に楽しいのが、プレイヤーが裏で相談している様子。台本が無いためにその場でプレイヤー同士がキャラクターの動かし方を相談したり、馬鹿話をしたりしている部分が「このシーンのうらがわ」で書き込まれていて、この部分にTRPG独特の多人数でストーリーが編まれていく様子が良く出ています。シーンのうらがわだけでなく、その他の会話も悪ノリが非常に面白いので、そちらにも注目です。少々、プレイヤー暴走気味かと思われるようなキャラクターの行動も、「プレイヤーの方がGMより世界観を良く理解している」とGMが賛嘆するプレイヤー連の実力で、上手いところへとおさまってるのが素敵。単にアドリブだけだと何も出来ないけど、実力のあるプレイヤーにとっては、シチュエーションとキャラクターが固まっていれば話は自然と浮かんできます。GMがそうしたプレイヤーの提案を拾おうとして、事前のシナリオと齟齬が出てきてしまう部分も有りますが、これもプレイヤーとGMの協力で、丸く収まってます。レヴィアハーンとの最後のクライマックスが1on1のサイコロ勝負というのも決まってました。一歩間違えば大惨事ですが、TRPGというのは普通の物語と違って、そうした大惨事も良い記憶になりうる、楽しい遊びというのを思い出しました。結果は見てのお楽しみです。桂令夫氏、昔々、どっかで極寒トラベラーとかやってた変人だった(と思う)。本シリーズで久しぶりにお名前拝見した気がします。TRPGプレイヤーとしてこんなに愉快な人だとは知りませんでした。柳田真坂樹氏のリプレイは、前作「ハイスクール・ダイハード」・本作ともガンドッグの可能性を広げるものでありながら、違和感無く面白がれる作品になっているのが良いです。次回作にも期待したいですね。※鼠径部に銃というと、パレオに銃を隠すシティーハンターのプールみたいなシーンのイメージがするけど、「股間銃」「股間バキューン」で全てがダイナシ(ほめ言葉)。いやぁ笑ったわ～。